劇団東演「琉球の風」観劇
素晴らしかったです!今年のベストかもしれない!
中津留さんの先月の民藝への書き下ろし「箆棒」がイマイチだったので、連作でどうかなあと正直思っていましたが、今作は中津留脚本が冴え渡っています。もう一回観に行きたい。
東京の人はみんなこれ観たほうがいいです。
東京の人に向けた、沖縄・高江・辺野古問題の意欲作です。
このチラシを観るとさも政治メッセージが強そうな芝居に見えると思いますが、メッセージの押し付けは一切なく、長い説明ゼリフもほぼなく、無関心から基地賛成派に容認派、迷って半々の人、勉強中の人、反対派に活動家…考えうる様々なスタンスの人が出て来る群像劇です。いわゆる"悪者"はおらず、ネトウヨ的意見を言う若者をも話し合えば分かり合える存在として描き、人間ドラマとして盛り上げていくところに作者の筆力を感じました。
座り込みをする元教師と機動隊員になった教え子のやりとりで思わず目頭熱くなりました。
上演時間1時間50分。(←中津留さんにしては短い!しかも終わり方も暗くない!)
終演後、劇場の外で、役者さんが「今回、ホンの完成が遅れて…」と話しているのが聞こえました。そうでしょうね、そう簡単に紡ぎ出せるような一筋縄でいくような題材ではないですから。役者さん達は大変だったと思いますが、ホンの遅さを感じさせない熱演に引き込まれました。